やる気が出ない、どんよりする、なんだか憂鬱……そんな状態を、薬膳で優しくケアしませんか?
薬膳は体を根本から整えることができる食事であり、特別な生薬などを使わなくてもスーパーで手に入る食材でも簡単に作ることができるんです。
この記事では、薬膳の観点から憂鬱をケアする食材と超かんたんレシピをご紹介したいと思います。
もくじ
憂鬱で元気が出ないのはどんな状態?
なんだか元気が出ない体の状態は、薬膳の元になる体系、漢方(中医学)から見ると『気虚(ききょ)』であることが多いです。
気虚(ききょ)とは
漢方において『気』と呼ばれる、体を動かすエネルギー全般が不足している状態を指します。
気虚(ききょ)対処法
では、気の不足にはどう対処すればいいのでしょうか?
実は、気の不足を補う食材はたくさんあり、普段の食材からいろいろと選ぶことができます。
気虚の人は胃腸が疲れていることが多いので、温かく消化によい料理にして食べることをおすすめします。
気虚(ききょ)を改善する食べ物
気を補う食材
気を補う食材として、手に入りやすいものは、お米・イモ類・きのこ類・豆類・かぼちゃなどです。特に山芋は、漢方薬の材料にも使われるほどであり、火を通して食べるとよく効果を発揮します。
他に気を補う食材として、あわ・きび・大麦・米麹・ひえ・アスパラガス・かぶ
・きくらげ・にんにくの茎・アボカド・ぶどう・カカオ・えび・鮭・さば・かつお
・たこ・たら・ぶり・まぐろ・鶏肉・豚肉・うずら卵・味噌・甘酒などがあります。
気を巡らせる食材
また、気を補うだけでなく、体の動きをよくする、気を巡らせる食材も少量取り入れるとさらに良いです。
気を巡らせる食材は、シソや柚子皮などの薬味類や、オレガノやタイム、フェンネルやターメリックなどハーブ&スパイス類に多いです。玉ねぎや少量の日本酒・紹興酒・ワインなども気を巡らせます。
血を補う食材
気虚の人は、血が不足している『血虚(けっきょ)』も併発していることが多く、血虚も元気が出ない原因になるため、血を補う食材も取ることをおすすめします。
血虚とは単純に貧血を指すのではなく、『血の総量が足りない』『血が含む栄養分が足りない』など、もっと血について広く見る概念です。
貧血といえば鉄分、鉄分といえばレバーですが、血虚の人はビタミン・ミネラル全般を取ったほうが良いため、植物由来の食材も役に立ちます。
血を補う食材で手に入りやすいのは、黒豆・枝豆・黒きくらげ・しめじ・にんじん
・ほうれんそう・パセリ・ぶどう・黒ごま・あさり・いか・いわし・牡蠣・かつお
・鮭・たら・にしん・ひじき・ぶり・豚や鶏のレバー・豚足・うずら卵・鶏卵などです。
憂鬱をケアする簡単薬膳レシピ
山芋粥
材料(1人分): ご飯軽く1膳、だし汁400ml、山芋輪切り2cm、玉ねぎ1/4、しょうゆ小さじ3、あればうずら卵3つ
- 作り方:
1. 鍋にご飯とだし汁を入れ煮込みます。
2. 玉ねぎをくし切りに、山芋はすりおろすか拍子切りにして鍋に入れて煮込み、火を通します。
3. 醤油を加えて混ぜ、あれば最後にうずら卵をのせて完成です。
おかゆは消化によく、いつ食べてもお腹がホッとします。
かぼちゃとアスパラガスの焼き浸し
材料(2人分):グリーンアスパラガス4本、かぼちゃ薄切り6切れ、エリンギ1/2パック、にんにくの茎2本、豚こま切れ50~100g、めんつゆ(3~4倍希釈)大さじ4、米酢大さじ4
- 作り方:
1. アスパラガスの根元の皮をむき、野菜とキノコ、肉を一口大に切ります。
2. フライパンに油をしいて焼くか耐熱容器に入れて電子レンジで加熱して火を通します。
3. 別の容器でめんつゆと米酢を混ぜて調味液を作り、火を通した材料を調味液によく混ぜて味をつけます。そのまま調味液に浸して粗熱が取れたら完成です。
お酢の酸味でさっぱり食べられます。豚こま切れは鶏もも肉にしてもおいしいですよ。
きのこのちゃんちゃん焼き
材料(2人分):鮭2切れ、キャベツ1/4玉、しめじ1パック、まいたけ1パック、えのき1パック、玉ねぎ1/2玉、味噌大さじ3、料理酒大さじ1、みりん大さじ2、バター1かけ
- 作り方:
- 1. キャベツと玉ねぎを一口大に切り、きのこ類は手でほぐしてから一口大の長さに切ります。
2. フライパンを火にかけてバターを溶かし、鮭の両面を焼いて焼き目をつけます。
3. 切っておいた野菜ときのこをフライパンにいれ、調味料すべてをよく混ぜて加えて野菜に絡めます。フライパンのふたをしてごく弱火にし、10分ほど蒸し焼きにすれば完成です。
キャベツは薬膳において胃をいたわる食材で、鮭も消化にいい魚です。
気虚にも血虚にも良いレシピです。
うずら卵の和風ピクルス
材料:うずら卵(市販の水煮)8~12粒、玉ねぎ1/8玉、長ねぎ4cm、めんつゆ(3~4倍希釈)大さじ3、米酢大さじ3、水大さじ2、黒ごま小さじ2、にんにくチューブ小さじ1/2
作り方:玉ねぎと長ネギをみじん切りにし、タッパなどに入れてめんつゆ、米酢、ごま、にんにくチューブと混ぜてうずら卵を漬け、冷蔵庫で一晩おいて完成です。
うずら卵は鶏卵より重さあたりのたんぱく質量が多く、栄養が詰まっています。
積極的に取り入れましょう。
まとめ
なんとなくの憂鬱は、薬膳(漢方)からみると『気虚』の状態であることが多く、気虚はスーパーで手に入る食材で十分ケアできます。
ここに紹介したレシピは簡単にできるものばかりです。気虚によい食材では他にもたくさん料理をつくることができるので、ぜひ試してみてください。
※これらの食材は、あくまで薬膳の観点から見たもので、医薬品ではありません。
体調が改善されない場合は、適切な時に適切な医療機関を受診しましょう。