何につけてもイライラしてしまう、どうにも気分がパッとしない、そんなときはどうすればいいでしょうか? まず、薬膳を取り入れてみることをおすすめします。薬膳は体を根本的に整えられる食事であり、特別な材料を使わなくても、スーパーで手に入る食材で十分作ることができます。
この記事では、薬膳の観点からイライラをケアする食材やレシピを紹介します。
もくじ
イライラ・気分がパッとしないのはどんな状態?
イライラしがちだったり気分が乗らなかったりする体の状態は、薬膳のもとになる体系、漢方(中医学)から見ると『気滞(きたい)』であることが多いです。
気滞とは、漢方において『気』と呼ばれる、体を動かすエネルギーの動きが滞っている状態を指します。
気滞の対処方法は?
では、気滞にはどう対処すればいいのでしょうか?気を動かし巡らせる食材は多くあり、
普段の食材から色々と選ぶことができます。
気滞の人は体が熱を持っていることが多いので、
体の熱を取る食材も意識して取り入れることをおすすめします。
また、気の流れが滞ると血の巡りや水の巡りも滞っていることが多いので、
血や水の巡りをよくする食材も取り入れるとさらによいです。
気を巡らせる食材
気を巡らせる食材は、薬味類やハーブ&スパイスに多いです。
・オレガノ・シソ・タイム・ウイキョウ(フェンネル)・玉ねぎ・にんにくの茎
・バジル・三つ葉・みょうが・ローリエ・柚子皮・カルダモン・クミン
・ターメリック・ナツメグ・八角・カモミールなどが該当します。
スーパーのスパイス棚によくありますが、
選ぶのが大変な場合はカレー粉や五香粉などで代用しても構いません。
薬味類以外の気を巡らせる食材で手に入りやすいものは、
・そば・のびる(野蒜)・ピーマン・金柑・グレープフルーツ・すだち
・ぶんたん・みかん・かじきまぐろ・日本酒・紹興酒・ワインなどです。
体の熱を取る食材
体の熱を取る食材には色々とありますが、夏野菜や果物に体の熱を取る食材が多く含まれます。
・アスパラガス・きゅうり・空芯菜・クレソン・ごぼう・しめじ・ズッキーニ
・せり・セロリ・だいこん・たけのこ・トマト・ナス・ゴーヤ・ほうれん草
・緑豆もやし・レタス・いちご・オレンジ・柿・キウイ・グレープフルーツ
・スイカ・なし・バナナ・びわ・文旦・みかん・メロンなどが体の熱を取る野菜・果物です。
血の巡りをよくする食材
血の巡りをよくする食材で手に入りやすいものは、
・黒豆・こんにゃく・納豆・らっきょう・クレソン・ししとう・玉ねぎ
・ちんげんさい・ナス・ニラ・バジル・パセリ・みょうが・ローズマリー
・グレープフルーツ・ブルーベリー・桃・栗・いわし・鮭・さば・さんま
・ししゃも・黒砂糖・酒粕・サフラン・ターメリック・酢・味噌・甘酒
・日本酒・紹興酒・焼酎などです。
水の巡りをよくする食材
水の巡りをよくする食材で手に入りやすいのは、
・あわ・はとむぎ・小豆・黒豆・アスパラガス・えんどう豆・きゅうり
・空芯菜・クレソン・パクチー・せり・タイム・とうもろこし・ナス・白菜
・水菜・緑豆もやし・レタス・ローリエ・あおさ・あさり・昆布・のり・わかめ
・豚レバー・ウーロン茶・コーヒー・紅茶・緑茶・ビールなどです。
イライラをケアする超簡単薬膳レシピ
納豆そば
材料(2人分):そば2人前、納豆1パック、青じそ4枚、きざみのり、めんつゆ適量
作り方: そばを茹でて冷水に取り、青じそを千切りにします。
納豆に青じそを混ぜ、そばを器に持って納豆とめんつゆ、きざみのりをかけて出来上がりです。
そばは気の巡りをよくするだけでなく、ほどよく体の熱を取る食材でもあります。
しその香りでリフレッシュしましょう。
サラダ浅漬
材料:キャベツ1/4玉、ナス1本、きゅうり1本、みょうが1個、シソ3枚、浅漬けのもと適量
作り方: キャベツは千切り、ナスは縦に2つに割って薄切り、きゅうりも薄切り、みょうがはみじん切り、シソは千切りにします。
野菜をすべてビニール袋か容器に入れ、浅漬のもとを入れてよくもんで冷蔵庫で3時間おき、完成です。
レタスやセロリを加えてもおいしくできます。
香りの強い食材を多く使うと気分転換が期待できます。
ナスとトマトのマリネ
材料(2人分): ナス2本、トマト1個、にんにくチューブ小さじ1、乾燥バジルふたふり、オリーブオイル大さじ1、酢大さじ2、こしょうひとふり
作り方: なすとトマトは一口大に切ります。
フライパンにオリーブオイル(分量外)を敷いてにんにくを炒め、香りが立ったらナスを加えて火が通るまで焼きます。
容器にバジル・オリーブオイル・酢・こしょうを入れてよく混ぜ、トマトと焼いたナスを加えて混ぜます。粗熱を取ったら冷蔵庫に入れて冷やして完成です。
乾燥オレガノを加えてもおいしいです。
乾燥バジル・乾燥オレガノはスーパーのスパイス棚においてあります。
フレッシュのバジル・オレガノが手に入るならそれをみじん切りにして使いましょう。
まとめ
イライラしがちだったり気分が乗らなかったりするときは、『気滞』という状態であることが多く、気滞はスーパーで手に入る食材で十分ケアできます。
気滞によい食材と簡単レシピを紹介しましたので、ぜひお試しください。
温かい料理なら、ナスとトマトを使ったカレー風味のラタトゥイユなどもおすすめです。
※これらの食材はあくまで薬膳の観点から見たもので、医薬品ではありません。
体調が改善されない場合は、適切な時に適切な医療にかかりましょう。